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病気の話

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猫の口内炎

2013.10.24

最近よだれが多くて顔が汚れている、ご飯を食べるのが辛そう、水を飲みたそうなのにじっと水をみつめている、撫でられるのが好きだったのに口の周りを触ると嫌がったり起こったり・・・お口の中や全身の病気のサインかもしれません。今回は猫で多い口腔内のトラブルについてお話します。

<症状>
よだれがでる、よだれで口の周りや手が汚れている、口が臭い、水が飲めない、食欲の低下・廃絶、口の周りを触ると嫌がる・怒る、口を開く時に奇声をあげる等

<原因>
歯肉口内炎
難治性口内炎、リンパ球性プラズマ細胞性歯肉口内炎等とも呼ばれます(図1)。口腔内細菌やウイルス(猫白血病ウイルス、猫エイズウイルス、猫カリシウイルス等)、免疫反応の異常などが原因として考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。

腎不全
体内の老廃物がうまく処理できなくなって、尿毒症となり呼気にアンモニア等が含まれる結果、口腔粘膜のただれ等が生じます。

毒物や異物の摂取
口腔粘膜をただれさせたり、傷つけたりするようなものを食べた場合に起こります。

また、以上の複数の原因が関与して起こる場合もあります。

<診断>
・臨床症状(下痢、嘔吐等、口の中以外の症状も重要です)
・口腔内の視診
歯肉口内炎の場合、痛みを伴う口腔後部の粘膜の発赤、潰瘍、肉芽様組織の増生が見られます。口内炎(舌や口腔粘膜)や歯周炎、口腔内腫瘍との鑑別が必要です。口を痛がっていることも多いので、充分な検査には鎮静や麻酔が必要なこともあります。
・血液検査、FIV/FeLVの検査
・ワクチンの摂取歴
・毒物・異物の摂取歴

<治療>
 内科的治療:一時的に症状の改善が見られますが、完治はしません。 投薬を止めると数日ないし数週間~数ヶ月で再び悪化することがあります。また、次第に治療に対する効果がなくなることが多いです。外科的治療後の内科療法は有効とされています。
 抗菌薬、ステロイド、インターフェロン、ラクトフェリン、シクロスポリン、
消炎鎮痛剤などのお薬を組み合わせて使います。歯肉口内炎に最も効果が見ら
れるのはステロイドです。また、歯石除去(抜歯はしない)、歯磨きなどの口
腔内清掃もあります(ただ、猫ちゃんは小さい頃から習慣づけていないと、お
家での歯磨きは難しい場合が多いです。痛い場合なら尚更です。歯石除去で口
腔内を清掃しても、家でのケアができず再び元通りになってしまいます)。

外科的治療:歯肉口内炎の治療で完治や改善の認められる最も効果的な治療法とされています。ただし、術後改善までに数ヶ月~数年と時間がかかることもあります。
全顎抜歯(全ての歯を抜く)、全臼歯抜歯(奥歯を全部抜く)があります。治
療効果の目安は全顎抜歯が約90~95%、全臼歯抜歯が約60%とされています。
全顎抜歯は下顎犬歯を抜くときに顎骨の骨折を起こすこともあるので、実際の
手術法については慎重に検討することが必要です。手術後は、内科療法を行い
ますが、経過が良い場合は必要なくなることもあります。

・腎不全から生じている場合には、腎不全の治療を行います。

私たちは小さな口内炎が1つできただけでも、何だか気持ちが落ち込んだり、飲み物がしみたりして食事をとりたくなくなったりしますよね。多くの猫ちゃんの場合、症状を示すようになり、食べられなくなってきた頃には相当ひどくなっている時のようです。早めに気づいて対処してあげましょう。

 

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