- 病気の話一覧
- 病気の話詳細
病気の話詳細
避妊・去勢手術について(2006.1月号)
今回は避妊・去勢手術についてお送りいたします。「手術なんてかわいそう!」と思って反対するのはどういうわけか80%が男性(特にお父さん)のようですが、望まれない仔犬・仔猫を増やさないようにするだけではなく、生殖器の病気を予防できるので本来、犬猫にとって良いことなのだということをご理解下さい。
避妊手術(卵巣摘出術・卵巣子宮摘出術)
妊娠を防止し、発情周期を無くすことが手術の主要目的で、全身麻酔と完全な無菌的手技を要する腹腔内の手術です。この手術は子宮の感染症や、子宮や卵巣の腫瘍を予防するためなどにも行われます。
この手術は、発情周期が無くなり、望まれない仔犬・仔猫の出産を防止するという不妊目的だけでなく、卵巣疾患(嚢腫・腫瘍)、子宮疾患(内膜炎・蓄膿症・腫瘍など)を予防し、また早期に行った場合は乳腺腫瘍の発生率を低下させるなどの利点があります。特に犬では排卵後に偽妊娠がよく起こり、行動異常(営巣行動・授乳行動など)や食欲低下、嘔吐などの症状を呈する場合が多く認められオーナーを悩ませることもありますが、これも避妊手術を行うことにより解決できます。また、糖尿病は雌のほうが雄の約3倍発病しやすく、性周期によりインスリンのコントロールが困難になるため、罹患した動物は避妊手術をするべきでしょう。また、雌猫では発情期になると放浪や尿スプレー、独特な鳴き声などの迷惑な行動をとることが多く、これらも手術により抑制されます。
犬の乳腺腫瘍の発生率と避妊手術の時期との関係についてですが、乳腺腫瘍の発生リスクは避妊手術を初回発情前に行なった場合0.5%、初回発情後2回目発情前では8%、2回目発情後4回目前だと26%となります。2歳半を超えてから避妊手術を行う場合、乳腺腫瘍の発生リスクは急激に増加しますので、手術を行う場合はなるべく早期に行ったほうが良いでしょう。
手術のデメリットとしてあげられるものは、肥満と尿失禁です。肥満は食欲抑制効果のあるエストロゲンという女性ホルモンの分泌が抑えられてしまうこと(発情中は食欲が落ちるのをご存知だと思います)によるものと思われます。尿失禁は膀胱を吊り上げている子宮を摘出するため膀胱が垂れ下がることや、膣の長さが短くなることが原因とされています。発生率は高くありませんが、治療の対象となる後遺症です。
去勢手術(精巣摘出術)
去勢手術というのは、手術で精巣(睾丸)を摘出することです。犬の去勢手術は、①放浪したり、ケンカをしたりする行動を抑制し、攻撃行動を抑制します。②加齢とともに増加する精巣腫瘍・肛門周囲腺の腫瘍や前立腺肥大、会陰部ヘルニアを予防します。
猫では去勢手術を行うことにより、性行動としてのケンカや夜の散歩などが少なくなり、室内での尿スプレー行動の減少や尿の臭いも和らぎます。特に去勢していない雄猫は外出の機会が増えるため交通事故や咬傷事故が多く、さらに咬傷による白血病ウイルス・エイズウイルスの感染がとても多くなりますので是非去勢手術を行ってください。
去勢手術のデメリットは犬では特にありませんが、猫では肥満に注意しましょう。 なお、予防注射を済まされてないワンちゃん・ネコちゃん達には、避妊手術・去勢手術ともに実施する前に予防注射をお勧めしています。手術を受けるワンちゃん・ネコちゃん達は手術後に一時的に抵抗力の低下などにより、ウィルスや病気に感染しやすくなる可能性があるためです。ただ、予防注射を接種してもすぐに効果が現れるわけではありませんので、できれば手術日よりも約2週間前までの接種が望ましいでしょう。手術費用は猫では一律ですが、犬では体重により異なります。事前に料金をお問い合わせください。
手術料に含まれるもの
・麻酔のための手術前の診察料
・全身麻酔料(注射麻酔・吸入麻酔等)
・手術技術料・材料費
・入院料
・術後の薬剤費・抜糸料
手術料に含まれないもの
・ 手術前のワクチン接種料
・ エリザベスカラー他の舐性防止用具料
こうべどうぶつクリニック
TEL 0566-27-2211|
FAX 0566-27-2273
【予約専用番号】TEL 0566-27-0101
-
予約時間
電話予約
8:45~11:30/15:45~18:30
祝 日9:45~11:30/14:45~16:30
電話予約は診察開始時間の15分前~終了30分前まで
WEB予約
8:30~11:30/15:30~18:30
祝 日9:30~11:30/14:30~16:30
WEB予約は診察開始時間の30分前~終了30分前まで